◆ 米雇用統計は FRB の政策判断に直結する指標
金利の方向性(利上げ・利下げ)を即座に変える可能性があるため、 発表と同時にアルゴリズム取引が一斉に動き、流動性が一時的に爆発します。
- 非農業部門雇用者数(NFP)
- 失業率
- 平均時給(賃金インフレ)
◆ 発表前後のボラティリティ
発表前
- 市場はポジションを軽くし、値動きはむしろ縮小しやすい
- ただしオプション市場では 1 週間物 IV が上昇
発表直後(0〜5分)
- 最もボラティリティが高い時間帯
- ドル円は 0.5〜1.5 円動くことが珍しくない
- 板が薄く、スリッページが発生しやすい
- アルゴがヘッドラインを読み取り、ミリ秒単位で方向が反転することもある
発表後(5分〜1時間)
- 金利(米2年債利回り)が方向を決める
- 金利が落ち着くと、為替もトレンドに収束
- ボラティリティは徐々に低下
◆ ボラティリティを左右する「サプライズ度」
雇用統計のインパクトは 予想との乖離(サプライズ)で決まります。
| サプライズ度 | 市場反応 | ボラティリティ |
|---|---|---|
| 小(±3万人) | 方向感なし | 小 |
| 中(±10万人) | ドル円で 0.5〜1 円 | 中 |
| 大(±20万人以上) | ドル円で 1〜2 円 | 大 |
| 極大 | トレンド転換 | 特大 |
◆ 2025年のボラティリティ
■ 2025 年 1 月
- 市場は「利下げ開始時期」を探る局面
- 発表前からボラティリティ上昇(関税・インフレ懸念)
- 発表後は金利が乱高下し、ドル円も 0.6〜1.0 円程度の上下動
■ 2025 年 3 月
- 2 月の雇用統計は「弱め」と評価され、利下げ観測が強まる
- 発表後、ドル円は ドル安方向へ 0.7〜1.2 円動くケースが多かった
- 金利低下 → ドル売りの典型パターン
■ 2025 年 4 月
- 3 月の雇用統計は 予想を大きく上回る +228K → サプライズの「強い」結果
- 発表直後の反応
- ドル買いで 0.8〜1.3 円上昇
- ただし失業率が微増したため、上昇は一時的で往復の値動きに
■ 2025 年 8 月
- 大きなサプライズ(+ 就業者数の上振れ) → 市場を「不意打ち」
- 発表直後のボラティリティ
- 1.0〜1.5 円の急変動
- 金利上昇 → ドル買いが優勢
- ただし市場は「一時的要因か構造変化か」で割れる
■ 2025 年 9 月
- 8 月の雇用者数:22,000(予想 75,000)と大幅下振れ → 労働市場の急減速
- 発表後の反応
- ドル急落(0.8〜1.4 円)
- 米 2 年債利回りが急低下
- 市場ポジションが USD ショートに傾いていたため、ドル売りが連鎖しやすい構造
■ 2025 年 11 月
- 発表前から「大きく動く」と警戒されていた
- 発表後の典型的反応
- 0.7〜1.2 円の急変動
- 結果次第で金利が大きく振れ、ドル円も追随
- 年末に向けて流動性が低下し、値が飛びやすい